アルミナ（Aluminium oxide）は白色固体であり、アルミニウムと酸素の化合物であり、分子式はAl2O3であり、主なセラミック原料の1つである。

酸化物の中でアルミニウムと酸素は強力な結合を持ち、酸化物の中でアルミナが最高硬度を持ち、その化学安定性が高く、大部分の酸性、アルカリ性、塩類及び溶融溶液に対して優れた耐食性を有する。

アルミナには多くの同質異結晶体があり、現在知られているのは10種類以上あり、主に3種類の結晶型、すなわちα-Al2O3、β-Al2O3、γ-Al2O3。中でも構造によって性質が異なり、1300℃以上の高温ではほぼ完全にα-Al2O3。

調製原理

ボーキサイトには主に3種類のアルミニウム含有物質がある：三水アルミニウム石（Al（OH）3）、一水硬アルミニウム石（α-AlO（OH））とベーマイト（γ-AlO（OH））、総アルミニウム含有量は40〜75%である。また、針鉄鉱、赤鉄鉱、カオリン（二酸化ケイ素含有）、及び少量の二酸化チタンを含有する。工業的には、ボーキサイトはバイエル法により酸化アルミニウムに精製された。

バイエル法は、1887年にオーストリアのエンジニアカール・ジョセフ・バイエルによって発明された。その基本原理は、水酸化アルミニウムを濃水酸化ナトリウム溶液でアルミン酸ナトリウムに変換し、水酸化アルミニウムの種を希釈して添加することによって水酸化アルミニウムを再析出させ、残りの水酸化ナトリウム溶液を次のボーキサイトの処理に再利用し、連続化生産を実現した。現在、世界の関連産業会社の95%がバイエル法を用いてアルミナを生産している。

製造プロセス

ふんさい

バイエル法の最初の過程は、ボーキサイトの鉱石を粉砕機で直径30ミリ程度の粒子に粉砕し、粒子表面の粘土などの不純物を水で洗い流すことである。洗浄されたこれらの粒子は、繰り返し利用され、水酸化ナトリウム濃度が30〜40%のベイヤ法余液と混合され、ボールミルによって固体粒子径が300ミクロン以下の懸濁液を形成する。粒径が次第に小さくなるにつれて、ボーキサイトの比表面積は大幅に増加し、これは後続の化学反応の速度を速めるのに役立つ。

溶出

ボーキサイトと高濃度水酸化ナトリウム溶液からなる懸濁液はその後反応釜に入り、ボーキサイト中のアルミナと水酸化ナトリウムを温度と圧力を上げて反応させることにより、溶解可能なアルミン酸ナトリウム（NaAl（OH）4）を生成する。これを溶出と呼び、その方程式は以下の通りである：

Al2O3 + 2 NaOH + 3 H2O → 2 NaAl(OH)4

反応釜の温度と圧力はボーキサイトの組成によって決まる。三水アルミニウム石を多く含むボーキサイトについては、常圧下、150度で反応することができ、一水硬アルミニウム石とベーマイトの含有量が多い場合は、加圧で反応する必要があり、一般的な条件は200 ~ 250度、30 ~ 40気圧である。水酸化ナトリウムと反応する際、ボーキサイトに含まれる鉄の各種酸化物、酸化カルシウム、二酸化チタンは水酸化ナトリウムとはほとんど反応せず、固体沈殿を形成し、反応釜底部に留まり、それらは濾過され、形成された濾過スラグは赤色を呈し、赤泥と呼ばれるが、ボーキサイトに含まれるシリカ不純物は水酸化ナトリウムと反応し、同様に水に溶解したケイ酸ナトリウムを生成する。

SiO2 + 2 NaOH → Na2SiO3+H2O

ケイ酸ナトリウムを除去するために、バイエル法は溶液をゆっくり加熱することによって、シリカ、アルミナ、水酸化ナトリウムに方ナトリウム石構造の水和アルミニウムケイ酸ナトリウムを生成させ、沈殿させ、その後濾過して除去することで、アルミニウム酸ナトリウムだけが上清液に残る。

析出

熱した溶液が冷却装置に入り、水で希釈しながら徐々に冷却すると、アルミン酸ナトリウムが加水分解して水酸化アルミニウムが生成され、その際に純粋なアルミナ粉末を加えると、白色の水酸化アルミニウム固体が析出する。

NaAl(OH)4 → Al(OH)3 + NaOH

あるメーカーはこのステップを改良し、二酸化炭素を過剰に投入して水酸化アルミニウムの生成を助けた。

NaAl(OH)4 + CO2→ Al(OH)3 + NaHCO3

生成した水酸化アルミニウムを濾過した後、残りの濃度が依然として高い水酸化ナトリウム溶液はリサイクルされ、別のボーキサイトを処理し、水酸化アルミニウムを析出するために使用される。

か焼

すでに生産された水酸化アルミニウムは1000°C以上で焼成し（具体的な焼成温度は必要なアルミナの結晶型と粒径に基づいて決定する）、アルミナに分解する：

2Al(OH)3 → Al2O3 + 3 H2O

これが工業用アルミナの生産製造プロセス全体である。